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2007年08月29日

経営の勉強しまーす。テーラーシステム2

テーラーさんの科学的管理の4つの原則の①については、先日、述べたとおりです。
日々のノルマというか、課業を設定して、日々評価するという、迅速評価が特徴です。
迅速評価が本当にいいのかは、場合によるとは思うのですが、長期間ごとの評価は能率への刺激が薄れるという考えもあるので、それはそれでいい方法ではある。また、ノルマ未達成の原因の発見と対策の実行が迅速に行えるという利点もある。

経営の勉強しまーす。テーラーシステム2

②標準化
4つの原則の2番目は、標準化です。
標準化とは、いろんな道具が必要な作業をひとつの道具で兼用させたり、いろんなねじが必要なのを、ひとつのねじに統一させたり、という「標準を作ることにより効率化・合理化・節約をめざす」ということです。
たとえば、1.道具・工具・機械・設備・原材料・部品などの統一、2.組み合わせと配置・作業手順・作業の効率化合理化などなど。
この、標準化の前提には、ワンベストウェイ=最も良い方法はひとつという考え方がある。(これには、小さな疑問が残る。)
また、標準化をすすめ、一番いい方法を発見するという考えから、時間・動作研究が始まったということがあります。
(これは、工場など多くの企業で行っている。また、サービス業にも、あるいは役に立つ考えではないだろうか。注文してから仕入れ・配送などの時間が平均どれだけかかるとか、あるいは、必要なデータとなることもあると思う。)

ここで、①と②の両方の観点から、分業化・専門化の必要性を説かれている。
たとえば、課業をたくさんこなすには、分業して、その一部分の専門のみを行えば、より早く熟練し、その人はその作業が得意になるということが期待できる。これは、あくまで、科学的管理論の考え方です。(この部分は、多くの批判がされている。狭い範囲の作業しかできないとか、同じ作業ばかりで、人間性を疎外されるとか、奴隷のような扱いになるとか、チャップリンのモダンタイムスでの批判とか)

また、分業化について、各種の作業の分業だけでなく、作業と管理の分業ということも、説かれている。作業者は作業、管理者は管理と分業するほうが、それぞれの仕事がより熟練するという考えだ。さらにさらに、テーラーさんは、管理もいろいろあって、それぞれを分業させるという考えさえ打ち出している。具体的には、管理を修理・検査・指導・着手・監督・時間原価・指導票・手順という8つに分類して、それぞれに担当者を割り当て、専門化させたほうが効率が良いとしている。

この、8種類の職長を設置するという考え方は、次に述べるファヨール(フェイヨール・Fayol)さんの考え方の人たちから、命令一元化の原則に反するとして批判されている。つまり、ひとりの作業者に8種類の職長から、指示がくるということは、非常に非効率で、一人の作業者の管理者は一人であるべきであるという批判です。

以上、分業については、ⅰ作業の分業化 ⅱ作業と管理の分業 ⅲ管理の分業化 がありました。


③④については、まとめてお話します。
③課業達成に対する高い報酬=ノルマ達成者に高い賃金
④課業失敗に対する低い報酬=ノルマ未達成の場合、極端に低い賃金
たとえば、1時間20個のノルマの場合
ノルマ達成者 20個×@500円=10000円/時給
ノルマ未達成 19個×@400円= 7600円/時給
と、ノルマ達成の前後で、単価そのものに大きな差を設ける方法です。

差別出来高制と言って、成果主義のはしりのようなもんでしょう。

利点・・・集団怠業・さぼりを防止するのに、たしかにいいかも。
がんばった人・熟練した人・努力した人・工夫した人ほど、高い報酬と云う、むくわれる制度といえる。

この差別出来高制の欠点は・・・
これは、成果主義への批判と同じことではないかと思われる。私は、極端な成果主義は間違っていると思うが、ある程度の成果主義は仕方がない(つまり、XY理論のXの社員は、必ずどこにでも存在するし、サボリ人間も一定率必ず存在するので、がんばらなかった人には低い報酬で、次がんばってくださいとする考えは納得できる)と思う。
しかし、それでも、がんばってもノルマ達成できない人や仕事の与えられ方・指導のされ方がまずかったという本人以外の責任で、成果が低い場合もあるので、すべてを本人の給与に反映するのは問題がある。
また、極端な差別給は、少しの作業量の差であっても、ノルマの達成者と未達成で賃金の差が大きすぎると言う点で、会社への不信・上司への不信・同僚への嫉妬が発生するほか、がんばっても達成できないノルマで、やる気が極端に喪失していくという、無気力・投げやりな状態が発生しやすいと思われる。
人間性疎外については、分業・専門化がその原因と言われることが多いが、この、差別出来高制と云う極端な成果主義の考え方も、人間性疎外の原因と言える。
作業と管理の分離については、士農工商ではないが、人を差別する考えになりやすい面も、あると、私は考える。


結論・・・中道でしょう(「中道」は、仏教用語)
・差別出来高の要素も入れながら、人間関係への貢献や、努力度・能力度・過去の貢献度・仕事の難易度など広く考慮した形がいいでしょう。なぜ、ペンタゴン人事制度を私は推薦するか、ここにもひとつの理由があります。
・達成目標に対する柔軟性と、分業・非分業への柔軟な対応も必要でしょう。たとえば、職務拡大・職務充実・管理への参加・経営参加などで、人間性疎外をなくす必要があります。

追伸
いろんな批判もありながら、ホーソン実験の元となり人間機械化への反省が出てきたことや、作業や管理の分業・専門化や、時間・動作研究、差別出来高制など、今日の経営に大きな影響を与えた、近代対経営学の出発点として、大きな評価をすべきもとのは考えます。
また、反省すべき点も教えてくれた部分もあるでしょう。

追伸2
考え方の前提として、XY理論のX理論の考え方(後述)や、人間を機械のように扱う人間機械化の考え方がうかがわれる。
また、感情ある人間という考えに乏しく、感情のある人間としての考えが必要とする人間関係論などから、批判をあびることとなる。



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Posted by 宝塚のおじ、早山正恕(はやませいじょう)又は、早まる幸福の早◯(はやまる) at 20:22│Comments(0)経営の勉強
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